視線を近付けて、二度目の囁きを漏らした。
【琉佳】
「じゃあその可愛い恋人に言うことあるだろ」
【主人公】
「どれのこと? 『明日何時起き?』
『新曲はいつリリース?』それとも『大好き』、かな」
【琉佳】
「……なんだよその選択肢」
【主人公】
「ごめん。……わかってるよ。
当日会場で聞いて、びっくりして泣いちゃった。
笑いもしたけれど」
【琉佳】
「なんで笑うんだよ。バーカ」
【主人公】
「だってすっごく遠回しなんだもん。
いつも顔合わせてるのに、わざわざあんなところで
私に向けて話さなくても……」
と言いながらも理解してしまう。
そうだった。琉佳はロマンチストな人だった。